炎の中から現れたのは、御座化した鵺だった。
ゆりねは鵺を斬るよう命じるが…。
一切の個を捨て<鴉>となったはずの乙羽に残る、何か。
「いつかお前は人に戻るときが来るやも知れぬな」
自嘲めいたゆりねの呟きは、何を意味するというのか。
二人の仲間を失った御座衆は、ついに鴉抹殺にのり出した。
鎌鼬と土蜘蛛はそれぞれ、新宿区内にある病院を目指す。
新宿での騒動を査察に来ていた女鴉、炎とそのゆりねの前で繰り広げられる鴉と土蜘蛛の激しいバトル!
しかし、別の病院では鎌鼬があるものを探し殺戮を繰り広げていた。
一方、深手を負った鵺の傷を癒すため、雨降小僧は血液パックを求めて病院へと忍び込んでいた。そこで雨降小僧が目にしたものは、昏睡状態で眠り続ける乙羽の姿だった。これこそ鎌鼬の狙いだったのだ!
人間の霊体がゆりねと契約を交わすことによって鴉は生まれる。
鴉である者しか知らぬ弱点。それは、己の本体を失えば、その魂は地上に存在することが出来なくなってしまう事。
雨降小僧が人を襲ったりしないか様子を見に来ていた鵺の助太刀もあり、本体への攻撃を寸前で食い止めた鴉。
しかし、そこには2重に仕掛けられた罠があった。
敵の狙いに意識を奪われたゆりねは、土蜘蛛に一瞬の隙を襲われ囚われてしまう。そして、鴉の契約は無効となり―――――――
「この勝負、鴉の負けだ!」