赤いZに出合ってしまったものは、そのトンネルから出られなくなる。
そんな都市伝説がまことしやかにカーラジオから流れ続ける街、新宿。
それをあざ笑うかのように、今日も首都高速のトンネルで発生する怪奇な事件。
連続する“一風変わった”事件と、“一風変わった”同僚の鷺坂の態度に困惑し、苛立ちさえ覚える呉。
そんな時、鷺坂は「事件が連続するトンネル付近で目撃された男の似顔絵」と「新宿駅前トイレでテレビクルーの取材に答える謎の男」に奇妙な符号を得る。
また、彼の唯一の理解者、科捜研の同期の協力を得て、新宿駅前トイレ事件の現場で採取した物証を検査した結果、それは「東京に存在するはずのない生物」のものだという。事件の裏側に<人外の存在>を確信する鷺坂。
一方、新たな鴉となった乙羽<おとは>は、原因不明の病なのか、日に日に弱体化してゆくに街の妖怪たちの治療に追われていた。
妖怪たちの健康を管理することは、街の守護人たる鴉のもう一つの役目であるが、この現象はいまだかつてない街の危機をあらわしているというのだろうか。
ゆりねは全ての廻向を筆頭とする御蔵衆すべてを倒し、街に調和を取り戻すことこそ、解決の手段だという。
鵺が街に戻ってきていることを知った廻向は、ハイウェイをテリトリーとする御座・輪入道に鵺を生きたまま連れてくるよう命じる。
はたしてハイウェイに鵺をおびき出すことに成功した輪入道は、地の利をいかし鵺を捕獲するが、駆けつけた鴉との戦いに破れ、鵺と共に爆発炎上する。
そして炎の中から現れたのは、御座へと姿を変えた鵺だった。
東京にいったい何が起こっているというのか?